何度も口内炎を繰り返してしまう方、いつも同じように痛みが続き、治るまで時間がかかる方、また舌や歯ぐきの不調が伴う方は、その口内炎が単なる一時的な炎症ではなく、体の潤い不足や熱の偏りが原因、つまり、口内炎ができやすい体質が背景にあるケースも考えられます。
甘露飲(かんろいん)は、繰り返し発生する口内炎や治りにくい口内炎に適した漢方薬です。
効能・効果
体力中等度以下のものの次の諸症:
– 口内炎
– 舌の荒れや痛み
– 歯周炎
特に甘露飲は、口の中が乾燥しやすく、粘膜が弱くなることで治癒が遅れるタイプの口内炎に適しています。治ったと思ったら再発する、刺激物がしみて痛む、舌や歯ぐきに不調が広がるといった症状が見られる場合におすすめです。
甘露飲が適する口内炎の漢方的特徴
– 口腔内の潤いが不足している(陰虚)
– 体液の不足で熱を帯びやすく、炎症が繰り返し発生する(内熱)
このような口内炎は、単に表面的な炎症を抑えるだけでは根本的な改善が難しいことがあります。口の中の潤いが不足し、熱を持ちやすい状態(陰虚内熱)が背景にあることが多く、この状態が乾燥した粘膜に炎症を引き起こしやすく、治りにくい状況を生み出します。甘露飲は、このようなタイプの口内炎に適した漢方薬です。
甘露飲の特徴と作用
甘露飲は、炎症を鎮めるだけでなく、口腔内の乾燥や粘膜の弱さを改善することを目的としています。配合されている9種類の生薬には、地黄、黄芩などの清熱薬(炎症を抑える生薬)が含まれています。その一方で、麦門冬、天門冬、石斛などの補陰薬として働く生薬を配合しています。これらの補陰薬は陰液を養い、乾燥を潤す効果があります。
このように、甘露飲は陰虚による口腔内の乾燥を改善し、熱っぽさや炎症が起こりやすい状態も整えることを目標にしています。
他の口内炎への漢方薬の選択肢
口内炎の種類によって適した漢方薬が異なります:
– 赤く腫れて炎症が強い場合:黄連解毒湯など
– 胃腸の不調が原因の場合:半夏瀉心湯や加味平胃散など
– 繰り返しやすく口腔内が乾燥している場合:甘露飲や知柏地黄丸など
通常の口内炎は1~2週間で治ることが多いですが、何度も繰り返したり長引く場合は、炎症を抑えるだけでなく、陰虚などの体質改善を含めた見直しが重要です。

⇒口内炎の漢方薬全般についてはこちらで解説しています。




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