漢方用語集ーな~の

漢方用語集 (な行)

“な行”の漢方用語の説明

あ行か行さ行た行な行
は行ま行や行ら行わ行

内因(ないいん)
病気の原因のうち、からだの内側から起こるもの
①体質的要因:例えば、同じ花粉の刺激があっても症状の出る人と出ない人がいる。
②精神的要因:七情(喜怒憂思悲恐驚)が強すぎる、あるいは長期に及ぶと、臓腑に影響して病気の原因となることがある。
内寒(ないかん)
陽虚(陽気の不足)によって生じる寒証。虚寒。⇔外寒
内湿(ないしつ)
水分(津液)の代謝に関わる脾・肺・腎の機能(特に脾の運化機能)が、何らかの原因で障害されたことで、次第と体内に異常な水液が停滞するもの。内湿は病理産物であるが、内湿があれば外湿の影響も受けやすく、多くは混在するし、ともに湿邪となる。ただし内湿が主であれば脾虚が疑われるので、その場合の治療は化湿+健脾が必要。
内傷(ないしょう)
精神的な緊張など情緒の変動が、生理的に調節できる範囲を超え、臓腑の変調を起こし、その結果発生した疾患。特に七情(喜怒憂思悲恐驚)の影響で発病することを「内傷七情」という。
内燥(ないそう)
津液・血・精など(陰液)の不足により起こる乾燥の症候。乾咳・粘つく痰・咽喉乾燥(肺陰虚)、口渇(胃陰虚)、腸燥便秘など。
内托(ないたく)
内托法。気虚などで、膿が外になかなか出ないとき、体の内側の体力(回復力)を高めて、膿を排泄させ、肉芽の形成を促進させること。通常は黄耆が配合された方剤が用いられる。
内熱(ないねつ)
体の内部から発生した熱証。内火ともいう。実熱と虚熱を含む。
内風(ないふう)
体の内側の問題で発生する風証。陰虚(肝陽上亢、高熱、血虚)などでは、陰が筋を養えないので、陽気を抑えられなくなると、手足の震え、しびれ、痙攣、ひきつりが起こりやすい。⇔外風
茄子(なす・なすび)
子宮脱。膣口から子宮が垂れ下がって脱出している状態をその様相から俗に呼ばれていた言葉。
軟堅(なんけん)
腫瘤(しこり)・硬結・結石などを除く方法。
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二陰(にいん)
尿道を含む外生殖器(前陰)と肛門(後陰)。「腎は耳と二陰に開竅する」といい、大便や小便の失禁、耳鳴りや難聴は、腎の失調と関連する。
日哺潮熱(にっぽちょうねつ)
潮の満ち引きのように毎日一定の時間になると発熱や熱感があらわれるのを「潮熱」といい。とくに、夕方になると熱が上昇するものを日哺潮熱、あるいは陽明潮熱という。承気湯類の適応症状。
二便(にべん)
大便と小便。漢方の問診では、排泄に関する二便の状態も重要な情報となる。

(ねつ)
①自然界の気候の変化「風・寒・暑・湿・燥・火」(六淫)のうち、「火」を熱とも呼ぶ。
②⇔寒。八綱弁証で用いる表・裏・寒・熱・虚・実・陰・陽の一つ。寒性か熱性か、疾病や症状の性質をあらわす。さらに実熱と虚熱に分けられ、どちらも熱証ではあるが、必ずしも発熱しているとは限らない。
③発熱。体温の上昇。必ずしも熱証だとは限らない。
熱邪(ねつじゃ)
六淫(ろくいん)の一つ。外邪としては、火邪と同じ。一般には炎症性の症状が主。風邪・湿邪・暑邪なども経過とともに、風熱・湿熱・暑熱などに熱邪に変化する。参照⇒熱邪の特徴
熱証(ねっしょう)
自然界の温熱な現象に類似した症候。治療には寒涼性の薬を用いるが、実熱(熱邪の影響を受けたもの)と虚熱(陰虚にともない陽気が相対的に盛んになったもの)の違いに気をつける必要がある。参照⇒清熱薬
熱毒(ねつどく)
熱邪の勢いが高まり、発病力がとても強いもの。発赤、腫脹、化膿、高熱などを引き起こし、病状の変化も速い。清熱解毒薬を用いて治療する。熱の毒と表現するが、炎症の激しいことを強調しているのであって、毒素(ポイズン)のことではない。

(のう)
奇恒の腑の一つ。(解剖学的には)精神・意識・思惟活動に関わる臓器は脳。だが、東洋医学では五臓の生理機能と関連性が多いので、機能的な面は五臓に振り分けられている。五臓の「しん」の生理機能として「心は神を蔵する」というのは、基本的には脳の機能を指している。また、脳は頭腔の中にあり、ずいの集まりによって成ったものとされるが、髄はじんの精から生じるので、脳の機能(の衰え)は腎とも密接な関係にある。肝の疏泄なども一部は脳(神経系)の機能に属する。関連用語⇒五臓神
納気(のうき)
肺が吸入した気を、体内にしっかり納めること。腎の機能のひとつ。「腎は  をつかさどる」。呼吸の深さを保つ役目。腎虚で、呼吸が浅くなったり動くと咳がひどくなったりする症状がでるのを「腎不納気」という。
納呆(のうほう)
食思不振。食べようと思っても胃が食べ物を受け付けない。納少のうしょう

 

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