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現在の日本の漢方について

まず、現在の日本で扱われている漢方薬には2つの系統があります。

ひとつは、中国の伝統医学である「中医学」の理論を応用しているもの。
もうひとつは、江戸時代に日本で発達した、いわゆる「漢方」の考えを重視したものです。

中医学では、病因・病理を分析(弁証)して治法を導きます。「弁証論治」といいます。 分析には専門用語・中医理論の知識が必要になります。

中医学的なスタイル

症状:悪寒・発熱・無汗・頭痛・脈浮緊がある
⇒分析:風寒の邪が体表を侵襲していると分析できる
⇒弁証:風寒表証(太陽病)の状態
⇒治法:だから辛温解表の効能がある薬で治療するべき
⇒処方決定:麻黄湯など

一方、日本漢方では、病因によらず、どちらかというと、結果として出現している症状を重視します。「方証相対」といいます。

日本漢方的なスタイル

風邪のひき始め・体がゾクゾク・発熱、汗をかいていない、頭痛・首筋にこわばりがある
⇒であれば「葛根湯」が効きそうな症状である
⇒処方決定:葛根湯

それとか、「雨の日に頭痛するタイプの人には五苓散がよく効く」 というような、先人たち漢方専門家が残してくれた口訣(くけつ)と言われるものがあります。

ただ、このサイトでは、どちらの系統で解説していくかということは特に考えておらず、 漢方薬をなるべく分かりやすく、そして正しく理解して、納得して使ってもらえるように、というのを基本にして書いていきたいと思います。

皆様が例えば薬局で、ドラッグストアで漢方薬を選ぶ際の参考になればと思います。 もし分かりにくいときにはご指摘ください。

漢方薬の情報についての問題点

例えば「香蘇散」という漢方薬があります。

その効能は、
ツムラの場合、「胃腸虚弱で神経質の人の風邪の初期」です。
コタローの場合、「感冒、頭痛、ジンマ疹、神経衰弱、婦人更年期神経症、神経性月経困難症」です。

メーカーによっても効能が統一されているものではありません。

また「香蘇散」を漢方薬局が保険を使わずに販売するときは、突発性難聴にも使いますし、胃薬としても使います。

公に認められているか認められていないかに関わらず、また病名に関わらず、その人の体質に合っていれば用いるものです。

また、例えば漢方の専門家は、花粉症に「越婢加朮湯」という漢方薬を使うことがありますが 越婢加朮湯の保険適応病名には花粉症は書いてありません。保険が認めれる病名は、腎炎やリウマチなどです。

漢方薬局で花粉症に対して越婢加朮湯を勧められて購入した人が、ネット上で越婢加朮湯の効能を検索して、保険で認められている効能しか見つけられなかったら、逆にすごく心配になってしまうと思います。

私は、実際の医療現場において、漢方薬の使われ方はもっと多様であって良いと考えていますので、 このサイトでは公に認められているかいないかに関わらず、参考になりそうな情報を書いていきます。
ですが、保険適応の漢方薬を、適応外の症状に使用することを推奨しているわけではありませんので、ご理解のほどよろしくお願いいたしますm(__)m

このサイトの情報について

漢方薬の解説記事の内容は、あくまでも理論的な解説でありますので、実際に使用した際の結果を保証するもの(症例報告)ではありません。

また、上述したように、漢方薬の保険適応などには縛られずに書いています。 もし、保険診療において漢方薬をお使いになる場合は、承認されている適応症、指示されている用法用量をお守りになり、ご自身の判断でよろしくお願い致します。

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