漢方用語集ーや~よ

漢方用語集 (や行)

“や行”の漢方用語の説明

あ行か行さ行た行な行
は行ま行や行ら行わ行

薬食同源(やくしょくどうげん)
生薬も食べ物も、自然のものを体に取り入れているわけで、源は同じ。病気になったときに薬に頼る、だけではなく、日常の食事によって体と心の健康を保つことが大切。
薬膳(やくぜん)
①健康増進や治療効果を期待しての、「生薬」を取り入れた料理。歴史は古く、最古の医学書『黄帝内経』にも登場する。薬膳料理とも言われるが、膳は料理という意味です。
②「食材」を、陰陽五行論などの中医学(中国伝統医学)の理論に基づいて利用することで、健康増進・病気の予防・体力の回復・抗加齢などを図る食餌療法。
薬徴(やくちょう)
江戸時代の名医である吉益東洞の著。漢方薬を構成している生をまとめたもの。吉益東洞は古方派ですので、それまでの理論的な解説が先行していて実践的ではない本草書に対抗しており、臨床に役立つ解説書となっている。現在の生薬関連の書籍の中にも『薬徴』からの引用は多い。
薬籠(やくろう)
数段の引き出しがついている携帯用の薬箱。往診した漢方医が、患者宅で薬籠を開き、中の生薬を調合して、服用させることができる。
薬研(やげん)
舟形の凹みに刻んだ生薬を入れ、ハンドルのついた円盤型のローラーを転がして、粉末にする道具。熱が発生しにくいので薬が変質しにくい。

(ゆう)
うれえるという感情。生体に影響をおよぼす七情のひとつ。憂えが過剰になりすぎると肺の気が弱まる。気がふさぐ。意気消沈する。
油風(ゆふう)
円形脱毛症。鬼舐頭きしとう

(よう)
↔陰(いん)。明るい、温暖、軽い、上昇、外向き、活動的、興奮、亢進といったものの象徴。
陽気(ようき)
人体の構成成分である「気」のことで
①陽の性質をもち、温める特性が強い「気」
②人体を構成する基本的物質[気・血・津液(水)・精]のうち、物質面をあらわしているときの血・津液・精は「陰液」と呼ぶのに対して、機能面をあらわすときの気を「陽気」という。
陽虚(ようきょ)
陽気が不足している状態。陰が相対的に強くなる。気虚の症状に加えて、陽虚による寒証(虚寒)がみられる。手足が冷える、寒がる、顔が青白い、疲れやすい、横になってじっとしたくなる、下痢をする。
陽証(ようしょう)
①病状が、興奮性、動的、熱性、新陳代謝が亢進しているような状態。
②八綱弁証の、表証・熱証・実証は、陽証に統括される。
養生訓(ようじょうくん)
江戸時代の儒学者であり漢方医でもあった貝原益軒による、健康的な生活を送るための啓蒙書(1713)。いかにして長生きできるかという健康法は現代でも有益な内容であるし、若いころは貧窮の中で育ち病弱だったとされる益軒が85歳まで生き、亡くなる前年に(84歳で)書いたものということで説得力もある。
養心安神薬(ようしんあんじんやく)
滋潤したり虚を補ったりして精神を安定させる、主に植物性の生薬。酸棗仁や遠志など。参照⇒安神薬とは
養血(ようけつ)
⇒補血(ほけつ)
陽旦湯(ようたんとう)
桂枝湯の別称。陽旦とは夜明けの意味。『傷寒論』において桂枝湯は太陽病の初期に用いられる。
陽明頭痛(ようめいずつう)
前額部(おでこ)の頭痛。
陽明病(ようめいびょう)
六経弁証で、寒邪が裏に入り化熱し、裏実熱を呈する時期。主症状が高熱、悪熱、口渇、多飲、発汗、腹部膨満、便秘など。代表方剤が、白虎湯や白虎加人参湯、大承気湯など。
吉益東洞(よしますとうどう)
江戸中期、『傷寒論』『金匱要略』が日本国内でも普及することにより、『傷寒論』『金匱要略』の実践的な医学を重視する治療学(古方医学)が出現し、日本の医療の主流になる。その古方派の代表的な医師が吉益東洞である。日本漢方の特徴である腹診法を確立。「万病一毒説」を主張。著書には『類聚方』『薬徴』など。
余瀝(よれき)
尿の切れが悪い。排尿後にポタポタと漏れる。中気下陥や腎陽虚が考えられる。

 

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