【加味平胃散】~食べ過ぎによる胃もたれや胃痛などに用いる漢方薬~

加味平胃散(かみへいいさん)

加味平胃散(かみへいいさん)の解説

平胃散へいいさん」に、消化を促進させる生薬(消導薬)が加えられている方剤です。

もともと胃腸が弱いわけではない人が、暴飲暴食などによって胸やけ、胃痛、腹部膨満を起こしたり、または消化不良による下痢になったりするときに用いられます。

構成生薬

平胃散の構成生薬が6種類(蒼朮or白朮・陳皮・生姜・厚朴・甘草・大棗)。

それに消導薬しょうどうやくの3種類(神麴・麦芽・山査子)が加味されたものです。⇒消導薬とは

  • 神麴:消化吸収しにくいものの消化を助ける。神曲(シンギョク)ともいう。
  • 麦芽:おもにデンプン質(炭水化物)の消化を助ける。
  • 山楂子:おもに肉類の消化を助ける。

平胃散の消化の効果を強めるためにこれらの生薬が加えられていると思われます。

平胃散の解説はこちら

効能効果

体力中等度で、胃がもたれて食欲がなく、ときに胸やけがあるものの次の諸症:
急・慢性胃炎、食欲不振、消化不良、胃腸虚弱、腹部膨満感

食べ過ぎによって消化不良を起こし、腹部膨満、臭いゲップ(口臭が気になる)、酸っぱい液が上がってくるなどの症状があるときに用いられます。

平胃散がベースですので、六君子湯りっくんしとうのような気虚ききょはありません。

体質的な胃腸虚弱のために食べられない胃もたれではなくて、

暴飲暴食によって胃腸障害をきたしている食欲不振や胃もたれです。

ですので基本的には、暴飲暴食・生ものや冷たいものの摂りすぎなど、胃に負担をかけることを控えることが大事であって、

加味平胃散を漫然と長期に使用することはあまりないことかと思います。

平胃散は医療用エキス製剤(保険適用)にありますが、加味平胃散は医療用にはありません。

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