疲れやすい・だるい
「よく眠ったはずなのに、体が鉛のように重い」
「頭では“やらなきゃ”と思っても、体がついてこない」。
このつらさは、気のせいでも、怠けでもありません。
検査で「異常なし」と言われても、あなたの感じている重さやだるさは確かなサインです。
なんとかやり抜こうとしても、毎日だと本当につらいですよね。
その倦怠感は、気合いで解決できる問題ではないかもしれません。
からだの「作る力・巡らせる力・温める力・養う力」が少し崩れているのであれば、漢方薬で整えていきましょう。
倦怠感によくあるサイン
- 朝、体が動き出すまでに時間がかかる/午前中が特につらい
- 食後に強い眠気や胃もたれが出て、さらにだるくなる
- 湿気や天気、ストレスに影響されて、調子が安定しない
- 冷え・のぼせ・むくみ・不眠など、他の不調も一緒に出ている
からだが「少し無理しているよ」と教えてくれている合図でもあります。治し方は必ずあります。
貧血、甲状腺機能の低下、睡眠時無呼吸、感染症、薬の影響、抑うつなど、医療機関でチェックすべきこともありますので、まずは受診を優先してください。
そのうえで、慢性的なだるさは、漢方が得意とする領域です。西洋医学と並走しながら回復を後押しすることもできます。
漢方で捉える倦怠感(4タイプ)
同じ「だるさ」でも、その原因は人によって異なります。
ここでは代表的な4つのタイプ、気滞・脾虚・陽虚・血虚についてご紹介します。
ただし、臨床ではこれらが複合的に現れることも少なくありません。
気滞(きたい)
特徴:ストレスで悪化、胸や喉のつかえ、ため息、気分がふさぐ、抑うつ傾向。
「頭では分かっているのに、体が動き出せない」「予定をこなせず自分を責めてしまう」など精神的なだるさ。
方針:疏肝理気で滞りを解消し、必要に応じて気を補う。
代表的な漢方薬:加味逍遙散/柴胡桂枝乾姜湯 など
脾虚(ひきょ)
特徴:疲れやすい、食後の眠気、胃もたれ・軟便、声に力がない。
燃料タンクが空に近いような状態で、身体的にだるくて頑張れない感覚。
方針:脾を整え、消化吸収を促進し、エネルギー産生を向上させる。
代表的な漢方薬:四君子湯/黄耆建中湯/補中益気湯 など
陽虚(ようきょ)
特徴:冷え、朝からの重だるさ、下痢傾向、むくみ、腰のだるさ。
過労時のようなギアが入らないつらさ。長期にわたる倦怠感。
方針:脾腎を温め、自ら温めて動かす力を取り戻す。
代表的な漢方薬:真武湯/八味地黄丸 など
血虚(けっきょ)
特徴:貧血、立ちくらみ、動悸、不眠(夢が多い)、集中力低下、皮膚の乾燥、抜け毛が多い、爪の異常。
脳や筋肉の代謝面を支える栄養(血)の不足による倦怠感です。
方針:血を補い、末端まで栄養を行き渡らせる。
代表的な漢方薬:十全大補湯/帰脾湯 など
※これらの他、体質、既往歴、薬歴なを踏まえて、最適な漢方薬をお選びいたします。自己判断の長期服用は避け、専門家にご相談ください。

