肩こりや緊張型頭痛に「葛根湯」は効くけれど、注意も必要です

頭痛漢方薬の解説

緊張型頭痛に葛根湯

「葛根湯」(かっこんとう)は、代表的なカゼの漢方薬ですが、肩こりや頭痛に使える漢方薬としてもよく知られています。

葛根湯で効果がある頭痛は、おもに緊張型頭痛です。

緊張型頭痛は、頭がしめつけられるような頭痛であり、肩、首~項のコリ、眼精疲労、倦怠感を伴います。

首から肩、背中にかけての筋肉が緊張するために起こる頭痛です。

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「葛根湯」の説明

葛根湯のことが書かれた3世紀の書物『傷寒論』によると、次のように書かれています。

「太陽病、項背強ばること、几几として、汗無く、悪風するものには葛根湯が良い。」

太陽病とは、カゼの引き始めを表しています。

「几几」の読みは、キキとかシュシュとかの説があって正しいのはよく分かりませんが、 擬声語のキンキンとかジンジンみたいな感じの痛みを表現しており

つまりは、背~項~後頭部の筋肉がかたく緊張している状態を言っています。

葛根湯は、カゼの引き始めの薬だけど、項背部のコリがあるときに用いるもの、とその頃から言われているのです。

この状態を、葛根(カッコン)や桂枝(ケイシ)が含まれる「葛根湯」が治すということです。

葛根湯の、肩の凝りへの効果

首コリ

葛根湯には、葛根・桂枝・麻黄・芍薬・甘草・大棗・生姜の7種類の生薬が配合されています。

葛根湯の中には、足がつった時につかう、筋肉の痛み止めの漢方薬として有名な「芍薬甘草湯」の芍薬甘草が入っていますし、

それと葛根とが筋肉の緊張や凝りをとっていき、

そして桂枝が項背部にある経絡の気血の流れを改善していると考えられます。

ただし、 「肩こり」と一般には言うものの、正しくは「項背部が強ばる」と書いているように、

葛根湯がよく効くのは、首の後ろのラインの凝りです。

左右の肩(鎖骨の上のあたり)の凝りには、効かない可能性があります。(東洋医学的に経絡が別です)

項背部の凝っている筋肉とは主に、背中の大きな筋肉である僧帽筋であり、カゼのひき始めに背中がゾクゾクっとするとき緊張している筋肉と同じです。

「葛根湯」が効いたとしても注意点

森林で伸び

「項背強ばること、几几として」の部分だけをみれば、「葛根湯」が肩こりに効果があると言えます。

しかしながら、 肩こりや緊張型頭痛に「葛根湯」を使うというのは、どちらかというと対症療法的な使用法です。

葛根湯は体質改善の漢方薬ではありません。

本来はやはり、(首すじがゾクゾクする)カゼの初期のときに、発汗作用によって解熱させる薬です。

葛根湯で肩こりと頭痛が治まるからといって、習慣的になって乱用されるのは困ります。 発汗が過ぎると弊害も出ます。

また、「葛根湯」には、麻黄(マオウ)が配合されています。 麻黄による副作用には注意が必要です。

麻黄の成分には中枢興奮作用がありますので、服用した際に 眠気が覚めたように頭がスッキリした感じはするかもしれません。

しかしそれを習慣にすると、薬に依存してしまうおそれがあります。

漢方薬だったら安心だろうと誤解して、常用しないように注意をお願いします。
 

筋肉の緊張の原因であるような、精神的ストレスへの問題、不規則な生活、パソコンや仕事のときの姿勢、などがまず見直されるべきことです。  


高齢、高血圧、心臓病、前立腺肥大などの理由で、麻黄を避けたい場合は、 「葛根湯」から麻黄を除いたもので、「桂枝加葛根湯」(けいしかかっこんとうというのがありますので、ご参考まで。

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「独活葛根湯」について

葛根湯と似たもので、独活葛根湯というものがあります。

独活葛根湯とは、「葛根湯」に独活(ドクカツ)と地黄(ジオウ)を加えたものです。

四十肩や五十肩、 または朝起きたときから首が動かせなくなったといういわゆる「寝違え」、

このような肩を上げられない程の痛みがあって、 葛根湯ではさすがに効かないと思われるとき、独活葛根湯が使われます。(医療用エキス製剤にはありません。)

市販薬では例えば

シジラック錠

であったり、

肩用ラックル

のような、四十肩・五十肩の薬として売られているものも「独活葛根湯」です。

これらもやはり、葛根湯がベースの漢方薬ですから、体質によっては注意して使わなくてはいけません。

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