【利水退黄薬】~茵陳蒿・金銭草~

6-(3) 利水退黄薬(りすいたいおうやく)

利水退黄薬とは、利水滲湿薬の中でも特に湿熱黄疸証、つまり黄疸を消退させるのに用いることができる生薬です。

茵陳蒿(いんちんこう)

カワラヨモギ
キク科カワラヨモギの頭花
(中国では早春に採集される幼苗を使用したものを特に「綿茵陳」と称し、秋の頭花を使用したものを「花茵陳」と呼ぶ)
※第十七改正日本薬局方より生薬の表記は、茵蒿→茵蒿へ変わっているようです。
和名でカワラヨモギと呼ばれるのは、河原(川岸や海浜)に育つことが多いため。多年草で、茎の下部は木質化しており、陳(古い)株を茵(もと)にして生じる蒿(よもぎ)という名前の由来があります。

【性味】苦 微寒
【帰経】脾 胃 肝 胆
【効能】清利湿熱 退黄疸
  • 湿熱を除く作用に優れていて、特に湿熱による黄疸に対しては主薬として用いられる重要な生薬です。
    よく大黄山梔子と一緒に用いて、湿熱の邪を尿と便から取り除きます。⇒茵蔯蒿湯
  • 脾胃の湿熱で、軟便(泥状~水様便)、浮腫などのときは、他の利水薬(茯苓猪苓など)と一緒に用いられます。⇒茵蔯五苓散
  • 一方、寒湿による黄疸(陰黄)に用いるときには、脾胃の虚寒を除くため附子や乾姜を配合して応用されます。⇒茵蔯四逆湯

金銭草(きんせんそう)

カキドオシの花
シソ科カキドオシの全草(が正品と考えられている)
※異物同名品も存在する

【性味】甘 淡 平
【帰経】肝 胆 腎 膀胱
【効能】利水通淋 除湿退黄 解毒消腫

黄疸に対するはたらきは、茵陳蒿に比べると穏やかです。茵陳蒿や山梔子と併用して用いることができます。
肝胆の結石を排除する効能もあります
また利水通淋の効能においても、特に石淋(砂淋)、いわゆる尿路結石を排除する効能を期待して使用されます。
※カキドオシは健康茶としても販売されていて一般に購入できますが、短期間で効果が出るものではありません。
日本では連銭草(れんせんそう)とも呼ばれます。ただし連銭草や金銭草の名前はカキドオシ以外の(見た目が似ている)植物にも使われている可能性があって注意が必要です。

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