【帰耆建中湯(きぎけんちゅうとう)】の解説

帰耆建中湯

帰耆建中湯

帰耆建中湯きぎけんちゅうとうは、小建中湯・・・に当と黄を加えたもの。

虚弱体質の改善、病後や術後の体力回復、ねあせ、化膿性皮膚疾患に用いられる漢方薬です。

構成生薬

※膠飴は入れる場合と入れない場合があります。

帰耆建中湯は、小建中湯しょうけんちゅうとうに当帰と黄耆を加えたものです。

小建中湯に当帰を加えたものが当帰建中湯とうきけんちゅうとう

小建中湯に黄耆を加えたものが黄耆建中湯おうぎけんちゅうとう

それら当帰建中湯と黄耆建中湯を合わせても帰耆建中湯です。

また、膠飴は入れないことも多く(入れないのが一般的)、小建中湯の膠飴が入らないものは桂枝加芍薬湯けいしかしゃくやくとうですので、

帰耆建中湯は、桂枝加芍薬湯加当帰黄耆でもあります。

効能効果

小建中湯は虚証向きの漢方薬です。

体力がない、疲れやすいなどで、胃腸虚弱の人に用いられます。

そこに補血薬の当帰、補気薬の当帰が加えられています。

よって帰耆建中湯は、小建中湯を用いるよりも、より一層気血が不足して

全身の疲労倦怠がつよい場合に適応になります。

体力虚弱で、疲労しやすいものの次の諸症:
虚弱体質、病後・術後の衰弱、ねあせ、湿疹・皮膚炎、化膿性皮膚疾患

気と血を補って弱った体力を回復させる、

それだけでなく、気血不足のために治りにくい、慢性の皮膚疾患、ニキビ、化膿症、慢性中耳炎などにも応用されます。

病気がちな子供の体質改善にも適します。

ポイント

気血両虚証きけつりょうきょしょうに用いる漢方薬としては十全大補湯じゅうぜんたいほとうが代表的です。

帰耆建中湯はベースが小建中湯ですので、地黄の含まれる十全大補湯に対し、胃腸虚弱があっても胃もたれをおこさずに使いやすいのがポイントです。

ただ、帰耆建中湯は医療用エキス製剤にはありません。

(当帰建中湯と黄耆建中湯は、医療用エキス剤があります)

出典

『普済本事方』、『瘍科方筌』(華岡青洲)

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