【桂枝加芍薬大黄湯】の解説~下剤を使うと腹痛や下痢を起こす場合に~

便秘で悩む女性

桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)

桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)に大黄を加えた処方です。

(桂枝加芍薬湯は、桂枝湯の芍薬の量を増やしたものです。)

桂枝加芍薬湯と同じような状態で、便秘のときに適します。

出典

傷寒論(3世紀)

本太陽病、医反ってこれを下し、しかるによりて腹満し、時に痛む者は太陰に属すなり。桂枝加芍薬湯之を主る。大いに実して痛む者は桂枝加大黄湯(※)之を主る。

太陰病篇 第279条

※桂枝加芍薬大黄湯のこと

構成生薬

  • 桂枝(ケイシ)または桂皮(ケイヒ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 甘草(カンゾウ)
  • 生姜(ショウキョウ)
  • 大棗(タイソウ)
  • 大黄(ダイオウ)

効能・適応症状

  • 便秘、痙攣性便秘、常習便秘、宿便
  • しぶり腹
  • 急性腸炎、大腸カタル
  • 便秘症状が強い過敏性腸症候群

桂枝加芍薬大黄湯のポイント

  • 桂枝加芍薬湯と同じ適応で、便秘の傾向がある人、 桂枝加芍薬湯ではお通じが得られない人に用いられます。

  • 便がきれぎれ、細い、すっきり出ないなど(痙攣性)の便秘に適しています。

  • 腹部膨満感や腹痛のある便秘に使われることがあります。

  • 下剤や他の瀉下剤を使用すると、お通じはあるけど腹痛や下痢も起こしてしまう人に使われることがあります。

  • 大黄には瀉下作用のほかに抗炎症作用もあり、腸内の熱をとり、消化管の機能を正常にさせる目的が期待されています。

副作用・注意点

基本的には桂枝湯と同じで、どちらかというとやや虚弱者の腹痛で、冷えると症状が悪化するような人に適します。

ただし寒性薬の大黄・芍薬が含まれていますので、量を間違えて飲み過ぎると、下痢が止まらなくなることがありますので、加減して使用してください。

用法用量や使用上の注意は、医師・薬剤師の指示、または添付文書の説明を守ってください。

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