不妊治療をされる方に漢方薬がすすめられる2つの理由

6組に1組が不妊治療を受けていると言われる時代。

漢方薬も有効に使って頂ければと思います。  

一般的な不妊治療の流れ

まず、妊娠しやすい排卵日を予測して夫婦生活の指導を受けるタイミング療法があります。

それでも妊娠しない場合は「人工授精」を行います。

排卵誘発剤を用いて排卵の時間を調整し、それに合わせて子宮の奥に直接(選別された活発な)精子を注入する方法です。

ここまでは自然妊娠に近いかたちです。

年齢的に、またはその他の原因で妊娠のチャンスが少ないと考えられるときは高度生殖医療へ移ります。

卵巣に針を刺して卵を採取し、体外で精子と受精させ、分割を待ち、子宮に受精卵(胚)を戻す方法です。

体外受精では、シャーレ内で自然に受精を待つ方法と、卵子に細い管で直接精子を注入する「顕微授精」があります。

技術は日々進歩しており、今では体外受精、顕微授精で誕生した子供も珍しくはありません。

しかし治療費は1回数十万以上。

1回で子供を授かるのは幸運な方で、複数回繰り返すことも多く、経済的負担は重いです。  

不妊治療における漢方薬の役割

不妊治療の現場でも漢方薬が併用されているケースがあります。

漢方薬の役割を、高度生殖医療と比較して簡単に言えば、 高度生殖医療では、受精卵をつくる、 漢方薬は、子供を産めるからだづくりをする、ということです。

ケースによって使われる漢方薬は様々だと思いますが、 主に生理痛、生理不順、無排卵、冷え症など、不妊に関わってくる不具合を改善する効果が期待されます。

薬理作用としては子宮に対する作用、排卵誘発に関する作用、ホルモン分泌に関する作用が考えられます。

また、男性にも精子の質を改善させるため、漢方薬の服用をすすめられることがあります。

漢方薬は、病院で検査を受ける前、不妊の原因がまだ分からない段階からでも、服用を始めることができます。

しかし、不妊治療中の方へ漢方薬をお勧めする理由は実はもう一つあります。    

精神的な問題は、生殖機能にも影響してしまいます

不妊治療をされている方の思いというのは…

  • 当事者になってはじめて「子どもが生まれるのが当たり前ではない」ことを思い知らされる
  • 久しぶりに会った知人の何気ない「赤ちゃんまだ?」の言葉に胸を痛める
  • 両親や親族からのプレッシャーがきつい
  • 友人の妊娠の報告にあせる
  • 基礎体温が気になって仕方がない
  • 生理がくるたびトイレで落胆する
  • このまま夫婦として良好な関係を保っていけるのだろうか会話にも気を遣うようになる
  • 通院のための時間、治療のためのお金は工面できるのか
  • 時間があれば不妊関連の言葉で検索してしまう
  • いつまでこんな生活を続けるのだろう  

最近では、積極的に子供が授かる努力をすることを「妊活」と言われます。

色々な治療法、妊娠に良いサプリ・悪いとされる食品など、情報が溢れています。

どれが適切かよく分からないけど、できることならすべて試してみないことには後悔しそうで諦めきれない、

あせり、期待しては落胆、ちょっとしたことに一喜一憂し、精神が休まらない、

そしてイライラ、不眠、うつ、食欲不振、倦怠感・・・

次々に出てくる治療法の一方で、忘れがちになるのは「心のケア」です。  

不妊治療に必要なのは、精神的ストレスに対してフォローしながら、妊娠できる体づくりをすることです。

漢方薬は、精子や卵子の質を良くする、子宮の機能を改善させるためだけのものではありません。

心身の疲れ、精神不安を和らげることにも使えるものです。

精神的な悩みがスッキリしたときに、思いがけず妊娠することもあります。

そのような側面からも、漢方薬を役立てて頂きたいと思います。

漢方薬にこだわらなくても構いません。

日常的な生活の中で、散歩をしたり、音楽や演劇を鑑賞したり、趣味の活動などでリラックスすることも良いことです。

精神的な緊張を感じているときには、少しあせる気持ちを抑えることも必要です。

それが近道になることもあるのではないかと思います。

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