桂枝茯苓丸加薏苡仁
桂枝茯苓丸にヨクイニンを加えたものです。
桂枝茯苓丸には「丸」と付いていますが、実際には丸薬ではない場合、そのことを示すため「料」の字が入り、市販のエキス製剤では「桂枝茯苓丸料加ヨク苡仁エキス錠」などとも表記されます。
構成生薬
上から５つの生薬で桂枝茯苓丸。それに薏苡仁を加えたものです。
また、薏苡仁以外の各生薬の量は、ベースの桂枝茯苓丸から少しずつ増量されます。
薏苡仁の主な効能は、利水・排膿・鎮痛です。
ですので、
桂枝茯苓丸を基本とすると、桂枝茯苓丸の適応となる瘀血（血行障害）の症状があり、
むくみや浸出液をともなうもの、または湿邪による痛みをともなうもの、化膿性の炎症があるもの等に適します。
あるいはもっと単純に、
薏苡仁の効果を期待して、瘀血が関連するような、肌荒れ・しみ・ニキビ・ニキビ跡・皮膚炎など、皮膚のトラブルにも多く使われています。
効能効果
【医療用エキス製剤】（ツムラ）
比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症：
月経不順、血の道症、にきび、しみ、手足のあれ
【薬局製剤】
比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷え等を訴えるものの次の諸症：
にきび、しみ、手足のあれ（手足の湿疹・皮膚炎）、月経不順、血の道症
＜効能・効果に関連する注意＞
血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことです。
注意点
甘草など配合されておらず、長期利用しやすい漢方薬ではありますが、
とくに胃腸系に配慮されている方剤ではないので、胃腸が弱い人は、悪心や下痢などの消化器症状に注意してください。
妊娠中または妊娠の可能性のある人は、かならず服用の可否を主治医にご相談ください。
もし、薏苡仁の部分の効果を調節されたい場合、「桂枝茯苓丸」と「ヨクイニンエキス」を使用すれば、自由に加減することができます。
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