芎帰調血飲|産後の体力低下・月経不順の漢方薬【効果と選び方】

芎帰調血飲

芎帰調血飲とは?

芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん)は、
産後の体力低下や神経症状、月経不順などに用いられる代表的な婦人科系漢方薬です。

もともとは産後の諸症状を整える目的で使われてきた処方ですが、現在では

  • 産後の回復サポート
  • 月経不順
  • 女性の慢性的な疲労感
  • 気分の落ち込みや神経過敏

など、気血の不足と巡りの乱れが同時にある状態に幅広く応用されています。

特に「産後の不調におすすめの漢方薬」で考えた場合、体力低下と血の乱れを同時に補える方剤として、芎帰調血飲は重要な選択肢になります。

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効能効果

体力中等度以下のものの次の諸症。ただし産後の場合は体力に関わらず使用できる。
:月経不順、産後の神経症・体力低下

ポイントは、
「産後の場合は体力に関わらず使用できる」という点です。

一般的に補う処方は体力条件がありますが、産後は特殊な状態と考えられているため、適応が広めに設定されています。

芎帰調血飲の効果|なぜ産後におすすめなのか?

① 出産で失われた「血」を補う

出産は大量の血を消耗する出来事です。
漢方ではこれを「血虚」と考えます。

血虚になると、

  • めまい
  • 動悸
  • 不安感
  • 眠りが浅い
  • 抜け毛
  • 乾燥

などが起こりやすくなります。

芎帰調血飲は、四物湯をベースに血を補い、産後の回復をサポートします。

② 胃腸機能(脾)を立て直す

産後は気血だけでなく、胃腸機能も弱りやすい状態です。

  • 食欲がない
  • 疲れやすい
  • 体力が戻らない

こうした状態は「脾虚」と考えます。

芎帰調血飲は四君子湯系の構成も含み、たんに補うだけでなく“生産する力”も補う設計になっています。

③ 瘀血(おけつ)を取り除く

産後は悪露が十分に排出されないことで瘀血が残ることがあります。

  • 下腹部の痛み
  • 生理不順
  • 頭痛
  • 肩こり

などは瘀血のサインです。

牡丹皮・益母草が瘀血を動かし、「補いながら巡らせる」バランスが取られています。

④ 気の巡りを整える

産後はホルモン変化や育児ストレスも重なり、

  • イライラ
  • 不安感
  • 気分の落ち込み

などが出やすくなります。

陳皮・烏薬・香附子が気の巡りを整え、神経症状にも対応できる構成です。

構成生薬

当帰(トウキ)・川芎(センキュウ)・地黄(ジオウ)・白朮(ビャクジュツ)・茯苓(ブクリョウ)陳皮(チンピ)・烏薬(ウヤク)・香附子(コウブシ)・牡丹皮(ボタンピ)・益母草(ヤクモソウ)・大棗(タイソウ)・甘草(カンゾウ)・生姜乾姜(ショウキョウ/カンキョウ)

整理すると、↓のようになります。

[四物湯(-芍薬)](…補血
+[四君子湯(-人参)](…補脾
+牡丹皮・益母草(…駆瘀血
+陳皮・烏薬・香附子(…理気

つまり、

補血+補気+活血+理気
を一つで行う、非常に完成度の高い産後の方剤です。

こんな方におすすめ

  • 産後、体力がなかなか戻らない
  • 産後うつのような不安感がある
  • 悪露が長引いている
  • 月経が乱れた
  • 出産後から冷えや痛みが強くなった
  • 授乳中で体が消耗している感じがする

特に

「産後からずっと体調がもどらない」

という方は、単なる疲労ではなく、気血両虚+瘀血が背景にあることが多いです。

芎帰調血飲(薬局製剤)の取り扱い・購入方法

芎帰調血飲第一加減との違い

冷えや痛みが強い場合は、

芎帰調血飲第一加減

がよく使われます。

第一加減は温める力と痛みへの対応が強化されています。
OTCでも販売されているのでそちらの方が産後の漢方薬としては有名かもしれません。

出典

出典は『万病回春』(16世紀)
(※『万病回春』では「芎帰補血・・飲」として載っている)

産後の一切の諸疾、気血虚損、脾胃怯弱、或は悪露行らず、或は血去ること過多し、或は飲食節を失し、或は怒気相衝き、もって発熱悪寒、自汗、口乾、心煩喘急、心腹疼痛、脇腹脹満、頭暈眼花、耳鳴口噤し、語なく昏憒する等の症を治す。

訳⇒産後は一切の病気で、気血が衰え、胃腸も弱るので、悪露が十分下らなかったり、出血が過剰になったり、飲食が摂生できなかったり、怒りが沸き上がってきたり、そして、悪寒発熱、汗が自然と出て口が渇き、胸が苦しくて咳をする、胸やお腹が痛い、脇腹が張る、めまいがする、耳鳴りがして口を閉ざす、等の症状を治します。

古典でも、産後のあらゆる不調に用いられていたことが分かります。

現代医学で言えば、

  • 自律神経の乱れ
  • ホルモン変動
  • 貧血傾向
  • 産後疲労症候群

などが複合した状態に相当します。

芎帰調血飲は産後以外にも使えるの?

はい。現在では産後に限らず、

  • 月経不順
  • PMS
  • 慢性疲労
  • 冷え
  • 更年期の気血両虚タイプ

などにも応用されます。

ただし、実証タイプや炎症が強い場合には適さないこともあるため、自己判断は注意が必要です。

よくある質問

Q. 授乳中でも飲めますか?

基本的には使用可能ですが、体質や体調によります。
できれば専門家にご相談ください。

Q. どのくらいで効果が出ますか?

急性症状ではなく、体質の立て直しを目的とする処方です。
まずは2~4週間服用していただき、体力や気分の変化を感じる方が多いです。

まとめ|芎帰調血飲の効果と選び方

芎帰調血飲は、

✔ 血を補い
✔ 胃腸を立て直し
✔ 瘀血を取り除き
✔ 気を巡らせる

という、産後の複雑な不調に理論的に対応できる方剤です。

「産後の不調におすすめの漢方薬は?」と聞かれたとき、
気血両虚+瘀血の典型像に最もフィットする方剤の一つと言えます。

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