更年期のめまいに漢方薬は使える?体質と症状の重なりから考える選び方

更年期のめまいに漢方薬は使える?体質と症状から考える選び方

更年期のご相談では、「のぼせ」や「汗」に加えて、実は「めまい」に悩まされる方も少なくありません。ふわふわする感覚や頭の重さ、立ち上がると不安定になる症状、さらに気分が悪くなるほどではないものの外出が不安になるなどの訴えがよく見られます。その背景には、女性ホルモンの減少による自律神経の乱れが関係していると考えられます。ただし、症状の現れ方には個人差が大きく、同じ「更年期のめまい」であっても、その内容は人によって異なることがあります。

そのため、漢方ではめまいだけでなく、「のぼせ」「冷え」「むくみ」「不眠」「不安感」なども含めた全体像を総合的に捉えます。更年期のめまいは、ホルモンの変化をきっかけとして、体内の気・血・水のバランスの乱れや昇降の調和が崩れた状態と捉えます。

更年期のめまいは、「更年期だから」で片づけない

更年期の時期にめまいを感じることは珍しいことではありません。実際、更年期障害の症状として、ほてりやのぼせ、発汗、イライラ、不安、不眠と並んで、めまいもよく見られるものの一つです。

しかし重要なのは、更年期の時期に発生しためまいが必ずしも更年期障害によるものとは限らない点です。更年期障害と誤解されやすい疾患には、甲状腺疾患、貧血、不整脈、うつ状態などがあり、これらは症状が似ているため自己判断が難しい場合があります。加えて、しびれや頭痛を伴う場合には、脳卒中など緊急性の高い疾患の可能性も考慮する必要があります。

漢方で更年期のめまいを確認するポイント

更年期のめまいと一口に言っても、その症状や原因はさまざまです。たとえば、上半身に熱がこもりのぼせてクラクラする場合、立ち上がった際に力が抜けてふらつく場合、頭が重くふわふわとした感覚が続く場合、不安感や動悸を伴う場合などがあります。これらの違いによって、漢方の診立てや対処法は大きく異なります。

漢方では、これらの症状の違いを非常に重視します。更年期のめまいは、ホルモンバランスの変化そのものを直接治すのではなく、その変化によって乱れた体のバランスをどのように整えるかが重要なポイントとなります。

のぼせが強く、上にのぼる感じのめまいには女神散

更年期のめまいにおいて、まず注目すべきは「のぼせ」の有無です。顔が熱くなる、首から上に熱がこもるような感覚、肩や首の張り、頭痛のような症状、さらには気持ちの落ち着かなさやイライラ、不安感が伴う場合があります。これらの症状が見られるとき、単なる水分代謝の問題ではなく、気が上昇している状態が考えられます。

このような症状は更年期特有の上半身の熱感が強調されるタイプであることが多く、更年期では、のぼせや発汗といった血管運動神経症状と、イライラ、不安、不眠などの精神神経症状が重なって現れることが多いとされています。

こうしたタイプの症状に対して候補となる処方の一つが女神散(にょしんさん)です。女神散は、更年期のめまいを単なる「頭の症状」として捉えるのではなく、のぼせや肩こり、そして落ち着かない不安感やイライラといった精神的な緊張を含めた全体的な状態を整えるために用いられる漢方薬です。

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冷えやむくみ、立ちくらみが気になる方に当帰芍薬散

更年期のめまいの中でも、のぼせよりも冷えや疲れやすさが目立つ方がいらっしゃいます。
立ち上がるとふらつく、雨の日に体が重だるい、足がむくみやすい、顔色が優れない、手足が冷える、貧血のような症状がある――
このような症状が見られる方は、体の上部に熱がたまるというよりも、全体を支える力が不足し、水や血の巡りが弱いタイプと考えられます。
そんな方に適しているのが当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)です。

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イライラ、不眠、不安感に加味逍遙散

更年期のめまいは、精神的な不安定さと身体的な症状が密接に関連している場合が少なくありません。
イライラしやすい、気分の浮き沈みが激しい、寝つきが悪い、胸のあたりが重苦しい、肩こりがひどい、考えごとが続くとめまいが悪化する――。
こうした症状が見られる方の場合、単なる体力低下だけでなく、「気」の巡りの乱れが大きく影響していることがあります。更年期には、不安や不眠、抑うつ気分などの精神的な症状が重なることも珍しくありません。

このようなタイプの方に適しているのが加味逍遙散(かみしょうようさん)です。
加味逍遙散は、めまいそのものを直接的に治療するというよりも、精神的な緊張や睡眠の乱れが身体症状に影響を及ぼしている状態を整えるために用いられる漢方薬です。

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ふわふわ感や頭重感、動悸に苓桂朮甘湯

頭が重い、立ちくらみや動悸がする、吐き気を伴うといった症状に悩む方がいます。これらの症状は、水分代謝の乱れを背景に、自律神経の不安定さが加わることで起こる場合があります。特に更年期には、自律神経の乱れにより動悸やめまいが生じやすく、血圧の変動も不安定になることが知られています。

こうした症状に一般的に用いるのが苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)です。更年期に限らず、ふらつきや立ちくらみ、動悸、車酔いしやすいといった症状がある方に適しており、女神散ほど「のぼせによる熱感」が強くない場合に選ばれることが多い漢方薬です。

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まとめ

「めまいがあります」という訴えだけでは、適切な漢方薬を選ぶことはできません。少なくとも、発症時期、のぼせや発汗の有無、冷えの有無、睡眠の状態、動悸や不安感の有無、むくみや頭重感の有無、立ちくらみか回転性のめまいか、食欲の変化、現在服用中の薬の有無について確認する必要があります。更年期症状は非常に多岐にわたり、複数の症状が重なり合って日常生活に影響を及ぼすことも少なくありません。

特に、血圧の薬、睡眠薬、抗不安薬の使用状況や、貧血、甲状腺の問題、耳の症状なども考慮する必要があります。めまいの原因は一つだけとは限らず、複数の要因が重なることで症状が悪化することもあります。そのため、「更年期だから仕方ない」と諦めるのではなく、「更年期だからこの漢方薬」と安易に決めつけることも避け、体全体のバランスを見ながら対応することが最も無理のない選択となるでしょう。更年期のめまいに対して漢方薬をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。。

漢方で考える体のバランス│めまい・ふらつきについて

めまい・ふらつきの漢方相談|荒尾の漢方薬局 旺樹の杜(オンライン・配送)
ぐるぐる回る・ふわふわする・立ちくらみなど、めまいのタイプと背景を整理して漢方で再発予防を目指します。荒尾市の旺樹の杜は来店・オンライン相談対応、煎じ薬は全国配送可能です。

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