化痰止咳平喘薬(けたんしがいへいぜんやく)の概念

13.化痰止咳平喘薬

化痰止咳平喘とは、化痰の作用と、止咳平喘の作用を合わせたものです。

化痰は、痰を分解、除去させること。
止咳は、咳をとめる。
喘(息)とは、呼吸困難、呼吸が苦しそうな症状のことで、
平喘は、それを軽減、抑制する作用という意味です。

※日本の病名での気管支喘息(発作性の喘鳴を伴う呼吸困難)は中医学では「哮喘」と言います。

化痰薬と止咳平喘薬の区別

咳だけがあって痰がないこともありますが、
一般的には咳の症状があるときは痰が存在していることが多く、
また、痰という病理産物(邪気)が多いときは、ときに咳や喘息を引き起こしやすくなります。

それゆえ薬の作用としても
化痰薬のなかに、止咳平喘の効能をもつものがありますし、
止咳平喘薬のなかに、化痰の効能をもつものがあります。

ですのでどちらの作用が主かということで、
化痰薬としたり、止咳平喘薬としたり、あるいはまとめて化痰止咳平喘薬と表現したりします。

化痰薬の性質の分類

中医学では、化痰薬の性質において、温燥性か寒涼性か、という違いを意識する必要があります。

温燥性の化痰薬は、肺を温め、寒邪を去り、湿を乾かし、痰を除去します。
このときの痰は、寒痰(痰の色がうすくて白っぽく、冷えや寒気も伴う)、湿痰(痰は粘っていて量が多く、四肢のだるさや胸苦しさ等を伴う)などの状態です。

一方、寒涼性の化痰薬は、熱を清し、炎症をしずめ、痰を除去します。
このときの痰は、熱痰(痰の色が黄色っぽく、口渇や咽頭痛を伴う)、燥痰(痰は粘りが強く量は少ない、乾燥している喉に痰がへばりついてなかな喀出できない)などの状態です。

よって、痰(喀痰)については
量が多いか少ないか、色は白いか黄色いか、粘稠度はどうか、という点が重要になってきます。

配合の特徴

まず、咳は気逆(きぎゃく)の症状でもあるので、化痰止咳平喘薬はよく理気薬(行気薬)と併用されます。
気が滞ることでも痰が生じる可能性があり、咳や喘息を悪化させることがあります。

その他、痰の原因、または表裏・寒熱・虚実、などに応じて配合薬が変わってきます。

外感表証であれば解表薬
虚労によるものであれば補益薬と
脾虚であれば健脾燥湿薬と
陰虚火旺であれば滋陰降火薬と
肺の熱邪には清熱瀉火薬
肺の寒邪には温肺散寒薬と
という具合です。

狭義の痰と広義の痰

ちなみに、痰には気道から分泌される狭義の痰(いわゆる痰)の他に、広義の痰があります。
(詳しくは⇒痰飲とは
気道の痰、五臓でいうと肺の痰の他、
心、脾胃、胸脇部、経絡、四肢などあちこちに痰は存在し得るもので、
様々な症状を引き起こす可能性があります。
そういうものにも化痰薬が応用されることがあります。

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