腸癰湯(ちょうようとう)について

漢方薬の解説

腸癰(ちょうよう)とは、腸の炎症や、腸にできた膿のこと。

その腸癰に用いられる漢方薬、その名もずばり「腸癰湯」。

別名:瓜子仁湯(かしにんとう)

7世紀『備急千金要方』の方剤です。

大黄牡丹皮湯と非常に似た使い方をされます。

あまり馴染みがないかもしれないですが、医療用エキス製剤にもコタローのものがあります。

効能・効果
盲腸部に急性または慢性の痛みがあるもの、あるいは月経痛のあるもの。

コタロー腸癰湯エキス細粒の添付文書

やはり腸癰湯という名前のとおり、大黄牡丹皮湯などと比べても、腸癰湯の方がもっと腸癰の専門の薬です。


腸癰湯の構成生薬は4つ

  • 牡丹皮(ボタンピ)
  • 桃仁(トウニン)
  • 冬瓜子(トウガシ)
  • 薏苡仁(ヨクイニン)

大黄牡丹皮湯から、大黄・芒硝を抜いて、薏苡仁を加えたものに相当します。

腸癰湯=大黄牡丹皮湯-(大黄・芒硝)+薏苡仁

下痢をさせてしまうような大黄・芒硝は予め除いておいて、一方で薏苡仁を加えて排膿作用を強化した構成になっています。

つまり大黄牡丹皮よりも腸癰湯の方が、腸癰全般に使いやすくなっているというわけです。

または、たんに下痢などが心配で大黄牡丹皮湯が使いにくいときに、その代わりとして用いることができます。


さらに腸癰湯の構成内容は

「桂枝茯苓丸加薏苡仁」から、桂枝・茯苓・芍薬を除いて冬瓜子を加えたもの、ということもできます。

腸癰湯=桂枝茯苓丸加薏苡仁-(桂枝・茯苓・芍薬)+冬瓜子

桂枝茯苓丸加薏苡仁から、桂枝・茯苓のような精神安定に対する作用を省いてしまって、冬瓜子によって排膿作用を強化した形です。


下腹部の瘀血と、下腹部に熱がこもるために生じる炎症や膿、それによる下腹部痛や月経痛に対応します。

腸癰=虫垂炎と考えてしまうと、腸癰湯=虫垂炎の薬となってしまい、

抗生物質のある現在では、腸癰湯の使用機会がないように思われてしまいますが、

昨今では、例えば、クローン病や潰瘍性大腸炎、憩室炎など、さまざまな腸の炎症性疾患に対して、さらには子宮内膜炎などへの応用が試みられています。

妊婦さんの使用は避けてください。

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