血尿の漢方薬|不安な尿の赤みを改善する体質ケア

血尿が続く不安に体質から整える漢方

血尿の漢方薬

不安な尿の赤みを体質から整える
「突然尿が赤くなった」
「トイレで血が混じっていて驚いた」

──血尿は誰にとってもショックな症状です。
尿路結石や膀胱炎など、比較的よくある病気が原因のこともあれば、腎臓や膀胱の重大な疾患に関連している場合もあります。まずは泌尿器科で原因を確認することが大切です。

血尿の一般的な原因(西洋医学的視点)

血尿は大きく「肉眼的血尿(目に見えて赤い尿)」と「顕微鏡的血尿(検査で初めて分かる)」に分けられます。
原因には次のようなものがあります。

比較的多い原因: 膀胱炎・尿路結石・前立腺肥大
注意が必要な原因: 腎炎・腎がん・膀胱がん など

特に痛みを伴わない血尿は悪性疾患の可能性があるため、まずは医療機関での検査を受けてください。

漢方医学から見た血尿

漢方では血尿を「血淋(けつりん)」と呼びます。淋証の一種で、膀胱や尿路に熱や炎症がこもることで血が尿に混じると考えます。
背景には以下のような体質が関与します。

  • 湿熱タイプ:膀胱に熱がこもり、尿が濁って血が混じる。排尿痛や残尿感を伴います。
  • 気虚タイプ:身体の防御力や血管を守る力が弱く、少量の血尿を繰り返す。疲れやすい、息切れしやすい、顔色がすぐれないといった特徴を伴います。
  • 腎虚タイプ:腎の機能が弱まることで血尿につながることがあります。

血尿に用いられる代表的な漢方薬

猪苓湯(ちょれいとう)は排尿困難・残尿感・尿の濁りを伴う血尿に用いられます。
さらに、出血によって体力や血が消耗している場合には猪苓湯合四物湯(ちょれいとうごうしもつとう)を応用し、利水とともに補血を兼ねることで回復を促します。五淋散(ごりんさん)は痛みや炎症のある急性期の血尿に用います。

体質的に気虚の傾向がある方には、気血を補う帰脾湯(きひとう)補中益気湯(ほちゅうえっきとう)が有効です。慢性化し、体力低下や息切れを伴うタイプに適しています。
また、出血が長引く場合には止血と補血を兼ねる芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)がよく用いられます。
再発を繰り返す方には、腎虚を補う八味地黄丸・知柏地黄丸などを用いることもあります。

まとめ

血尿はまず原因の確認が第一です。とくに血尿が続く場合、血の量が多い場合、まずは医療機関を受診してください。

漢方では急性期の炎症を鎮めるとともに、再発しにくい体質づくりを重視します。
女性は膀胱炎による血尿が多く、男性は結石や前立腺肥大に伴う血尿が多いといった特徴もあり、対応は一様ではありません。体質に応じた方剤を選び、慢性化や再発を防ぐことが重要です。
「繰り返す血尿」「慢性的に続く不安」がある方は、体質診断を踏まえた漢方相談をおすすめします。

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