つわりの漢方薬
妊娠初期、食べ物の匂いだけで吐き気がする、何も食べられない、ずっと気持ち悪い──そんなつわりの症状に悩む方は多くいます。医療機関では「安静に」「時間が経てば治る」と言われることも多いですが、つらさは人それぞれ。
漢方では、妊娠初期に起きる「気の上逆」や「胃気不和」などの体の変化を丁寧にとらえ、吐き気・食欲不振・疲労感などの症状に体質からアプローチします。
つわりの症状でよくあるお悩み
- 吐き気が1日中続き、食べられない
- 水も受けつけない/飲むと吐いてしまう
- 空腹でも満腹でも気持ち悪い
- 日常生活に支障が出て、横になってばかり
- においに敏感になり、家事ができない
漢方の考え方
つわりの原因は、漢方では「胃の気の乱れ(胃気不和)」や「気逆」「痰飲内停(たんいんないてい)」などとされ、気の巡りが上に昇りすぎてしまうことで吐き気が起こると考えられます。また、もともとの体質(胃腸虚弱・冷え・ストレス体質)によっても症状の現れ方は異なります。
そのため、漢方では「気の巡りを整える」「胃を穏やかにする」「余分な水分(痰湿)をさばく」といった視点から、お一人おひとりに合った処方を選びます。できる限り少ない生薬数で、妊娠中の体に配慮した内容で構成します。
使用される代表的な処方
- 小半夏加茯苓湯…吐き気・嘔吐・つわりの基本処方、悪阻の初期、比較的軽症
- 半夏厚朴湯…やや時期が経過、神経症状(不安、不眠、イライラ)
- 半夏瀉心湯…胸のつかえ、ゲップ、胸やけ
- 麦門冬湯…陰虚(体の水分や栄養の不足)体質
- 人参湯…お腹の冷え、唾液が多い、下痢
- 乾姜人参半夏丸…何をしても吐き気が止まらないとき
など
※体質・体調に応じて適した処方をご提案いたします。

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