授乳中に漢方薬は飲める?母乳への影響と相談時のポイント

授乳中に漢方薬は飲める?母乳への影響と考え方

授乳中に漢方薬を飲んでもよいのか、不安になる方は少なくありません。
風邪、便秘、冷え、咳、産後の不調などで漢方薬を考えたとき、
「母乳に影響しないのかな」
「赤ちゃんは大丈夫かな」
と心配になるのは、とても自然なことです。

また、すでに飲んでしまってから不安になり、調べている方もいると思います。
そのような場合、まず大切なのは、必要以上に慌てなくてよいということです。

ただ、授乳中の漢方薬は、「絶対に飲めない」とも、「漢方だから全部大丈夫」とも、一律には言えません。
実際には、含まれている生薬によって考え方が異なり、母親の症状のつらさや赤ちゃんの状況もあわせて見ながら考えていくものです。

この記事では、授乳中の漢方薬をどう考えればよいのかをできるだけわかりやすく説明します。

授乳中に漢方薬を飲んだからといって、心配しすぎなくてよい

気づかずに飲んでしまった場合も、まず落ち着いて大丈夫

たとえば、以前もらっていた漢方薬を飲んだ、市販の漢方薬を数回飲んだ、そのあとで「授乳中だけど大丈夫だったかな」と心配になることがあります。
このような場合も、深刻に考えすぎなくてよいことが多いです。

授乳中の薬について調べると、強い表現の情報が目に入ることがあります。
それを見て、ますます不安が大きくなってしまうこともあります。
大切なのは、そこで自分を責めたり、ネットの断片的な情報だけで強い不安を抱え込んだりしないことです。

ある一つの生薬について慎重な意見があるからといって、それを含有するすべての漢方薬を同じように考える必要もありません。

授乳中の漢方薬は、一律に「だめ」と決まっているわけではない

授乳中の漢方薬については、不安のあまり「授乳中は全部だめなのでは」と思ってしまう方もいます。
ですが、実際にはそう単純ではありません。

授乳中でも使われることのある漢方薬はたくさんありますし、一方で、より慎重に使いたい生薬が含まれる漢方薬もあります。医療機関の処方でも、授乳中は一律禁止ではなく、必要性や内容を見て判断する形がとられます。

漢方薬によってそれぞれの考え方が違います。
そのため、「飲んでしまった」という事実だけで一律に判断するのではなく、漢方薬の中身をきちんと落ち着いて確認してみましょう。

授乳中の漢方薬は、どう考えればよい?

授乳中の漢方薬を考えるときは、極端な見方に偏らないことが大切です。

授乳中は赤ちゃんのことが気になるため、できれば薬を避けたいと思う方も多いと思います。
その気持ちはとても自然です。

一方で、母親の体調がつらいのに、何も使わずに我慢すればよいとも言い切れません。
咳が続く、便秘がつらい、冷えが強い、眠れない、産後の不調が続く。そうした症状があるときには、母体の負担を軽くすることが大切です。

そのため、授乳中の漢方薬は、「授乳中だから全部避ける」でも、「漢方だから全部安心」でもなく、
必要性と慎重さのバランスを見ながら考える
という受け止め方が自然です。

授乳中の薬の話になると、赤ちゃんへの影響ばかりが気になりやすいものです。
もちろんそれは大切ですが、母親の体調を軽く見てよいわけではありません。

つらい咳や便秘、強い冷え、産後の不調を我慢し続けることが、かえって母体への負担になることもあります。
授乳中の漢方薬は、赤ちゃんへの配慮だけでなく、母親に治療が必要かどうかも含めて考えることが大切です。

授乳中だから使えない、と考えるのではなく、
必要な治療があるなら、どういう形なら無理なく使えるか
を考えていくことが大切です。

授乳中で考え方が分かれやすい生薬

授乳中の漢方薬で、特に考え方が分かれやすいのが、大黄麻黄を含む漢方薬です。
これらは、専門家の中でも意見が分かれます。

つまり、安全と断定できるほど強いデータも、危険と断定できるほど強いデータも十分ではないため、結局は専門家の判断で使われている領域です。

大黄は、必要最小限なら使うこともある

大黄については、(私個人の意見として)授乳中は必ず避けなければならないとまでは考えていません。
一方で、まったく気にしなくてよいとも言い切れない生薬です。

そのため、大黄を含む漢方薬は、漫然と長く使うのではなく、必要があるときに必要最小限で考えるのが自然だと思います。
実際、授乳中の便秘薬では、ダイオウやセンナ、センノシドなどに関連して乳児の便がゆるくなる可能性に注意が向けられることがあります。
ただし、これをもって「絶対に使えない」と決めつけるのではなく、必要性や量、期間を見ながら考えることが大切です。

麻黄は、まず麻黄を含まない漢方薬で対応できるかを考える

麻黄を含む漢方薬が必要になる場面はありますが、授乳中はまず、麻黄を含まない漢方薬で対応できないかを先に考えたいところです。
そのうえで、症状からみて麻黄がどうしても必要であれば使う、という順番が自然だと思います。

麻黄に関連するエフェドリン様成分については、乳汁中への移行がある、が、あったとしてもごくわずか、ということで授乳中の扱いが一律ではなく、有益性があるかどうかで判断されるのが実情です。
また、近い成分であるプソイドエフェドリンでは、乳汁分泌が低下する可能性が示されており、授乳初期などでは慎重に考えたいという見方もあります。

麻黄(マオウ)エフェドリンの作用と副作用|動悸・血圧・不眠の注意点
漢方薬に含まれている成分には、使い方によっては副作用に注意が必要なものも含まれており、その代表的なものとして麻黄のエフェドリンによる作用と副作用について大事なところを解説したいと思います。胃腸が弱い方、血圧が高い方、高齢の方、不眠のある方、またはアスリートの方は特に注意して頂きたいものです。

まとめ

ここまでのように、授乳中の漢方薬は、
授乳中だからということで全部同じように考える
ものではありません。

白黒を見つけるより、どういう考え方で使うかが大切になります。

授乳中の漢方薬は、一律に「だめ」とも「大丈夫」とも言えませんが、
漢方薬を飲んだからといって、怖がりすぎる必要はありません。

心配になったときは、まず専門家にご相談ください。

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