瘀血(おけつ)とは
瘀血とは、血の流れが悪くなったり、血が一か所に滞っている状態をいいます。
言い換えると、「停滞している血」をすべて瘀血といいます。
また、瘀血によっておこる病態を血瘀(けつお)といいます。
瘀血になる原因と、瘀血を疑うときの痛みの特徴について、中医学的な解釈を分かりやすく整理しています。
瘀血を引き起こす原因
まず、瘀血の状態を大きく2つに分けます。
- 血行が悪い
- 血管が損傷している
の2つです。
血行が悪い
まず、血行が悪い状態になる原因を整理すると、4つあります。
①気虚
エネルギー不足で血行を促進する力、血を押し動かす力がない状態です。
②気滞
気の流れがわるければ、血液の巡りがスムーズでなくなります。
③熱(血熱)
体内の熱が血に移ると、水分が消耗した状態になり、粘稠度が高くなり、流れがわるくなります。
④寒(血寒)
寒さによって血管が収縮するし、冷やされた血は凝集しやすいため、これもやはり流れがわるくなる原因になりえます。
血管が損傷している
次に、血管の損傷の原因を整理すると、主に3つです。
⑤各種の外傷または内傷
血管に傷がつき、漏れた血が、排出されずに、一か所に溜まります。
⑥気虚
血管の壁が弱く、血液が漏れ出しやすい状況をつくります。
⑦血熱
熱によって血液が乱流すれば、血行が非常に速くなり、細い血管を破り、出血を起こします。
瘀血とはつまり結果
このように、瘀血の原因には、いくつかの可能性があります。
「瘀血」はつまり結果です。
瘀血を引き起こした原因が別にあれば、その原因に応じた治療も必要です。
例えば、
月経痛の原因にもいろいろとありますが、
それがもし瘀血だろう、ということだとしても、
その裏に、寒が原因(体質的には冷えなど)とかという可能性があるわけなので、
月経痛⇒瘀血⇒桂枝茯苓丸
というような単純な式だけでは、対処できないこともあるのです。
瘀血による痛みの特徴
以下に、瘀血による痛みの特徴を簡単にまとめておきます。
- 刺すような痛み、または、切られたような痛み。刺痛(しつう)といいます。
- あちこち痛む、とか、なんとなく痛む、とかではなく、いつも同じところが痛み、場所が移動することはありません。同じ一定の痛さで、痛みます。
- 夜になると、痛みがひどくなる傾向があるといわれます。
- 痛いところを押したり、揉んだりすると、不快な感じがします。押さえられるのを嫌がります。これを据按(きょあん)といいます。押さえてラクになる痛みは瘀血ではありません。
- しこり、腫れ物ができている場合があります。硬くて、押さえると痛く、体表にある場合は、暗紫色がみえます。
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