『傷寒論』のあらまし 第5条 何日も症状が変わらないこともある

傷寒論 第5条 病位の不変化

『傷寒論』第5条

急性の熱性疾患であるので、

第4条で忠告しているように、初日から数日のあいだに、急激に症状が進行するおそれもあります。

が、そうじゃないこともあります。

第5条

傷寒二三日、陽明少陽証不見者、為不伝

読み方⇒傷寒の二三日、陽明少陽の証あらわれざる者は、伝わらずと為す。

意味⇒傷寒の2~3日目、陽明病の証や少陽病の証が現れないのは、まだ病位は変化していないと考えて良い。

傷寒二三日

第4条は、傷寒一日目(初期)のこと。そこから数日が経過しました。

急性の熱性疾患なので、治癒していなければ、発症したときよりも症状に変化が起こっていてもおかしくありません。

しかも第4条では、傷寒初期であっても、吐き気がしたり、悶え苦しんだりが現れることもあると忠告していました。

陽明少陽証不見者、為不伝

吐き気が現れていれば、少陽病の証です。

煩躁(悶え苦しみ)が現れていれば、陽明病の証です。

しかしながら、そのどちらも現れていなければ、病位は変化していません。

つまり太陽病のままです。

ということは、太陽病として治療しなければいけません。

まとめ

第4条で、初日から病気が進行していく可能性に注意するように述べていたのに、

逆に、数日経過しても、症状が進行しないこともあると言っています。

発症してからの日数ではなく、

あくまでも、症状の変化に注意して対応することが大事という話です。

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