芎帰調血飲
効能効果
体力中等度以下のものの次の諸症。ただし産後の場合は体力に関わらず使用できる。:月経不順、産後の神経症・体力低下
構成生薬
当帰(トウキ)・川芎(センキュウ)・地黄(ジオウ)・白朮(ビャクジュツ)・茯苓(ブクリョウ)・陳皮(チンピ)・烏薬(ウヤク)・香附子(コウブシ)・牡丹皮(ボタンピ)・益母草(ヤクモソウ)・大棗(タイソウ)・甘草(カンゾウ)・生姜/乾姜(ショウキョウ/カンキョウ)
整理すると、↓のようになります。
[四物湯(-芍薬)](…補血)
+[四君子湯(-人参)](…補脾)
+牡丹皮・益母草(…駆瘀血)
+陳皮・烏薬・香附子(…理気)
補足
もともとは産後の様々なトラブルに使用されていた方剤です。
気力・体力が衰えて、胃腸のはたらきも弱っている状態と、
気や血のめぐりがわるくなっている状態を改善するための配合になっています。
現在では、産後にかかわらず(おもに女性の不調にですが)応用されます。
冷えや(瘀血による)痛みがあるときは、芎帰調血飲の加減方の一つである、「芎帰調血飲第一加減」が一般に使われます。(「芎帰調血飲第一加減」も一般用医薬品(OTC)の方で販売されていて、そちらの方が産後の薬としては有名かもしれません。)
出典
『万病回春』(16世紀)
(※『万病回春』では「芎帰補血飲」として載っている)
産後の一切の諸疾、気血虚損、脾胃怯弱、或は悪露行らず、或は血去ること過多し、或は飲食節を失し、或は怒気相衝き、もって発熱悪寒、自汗、口乾、心煩喘急、心腹疼痛、脇腹脹満、頭暈眼花、耳鳴口噤し、語なく昏憒する等の症を治す。
産後は一切の病気で、気血が衰え、胃腸も弱るので、悪露が十分下らなかったり、出血が過剰になったり、飲食が摂生できなかったり、怒りが沸き上がってきたり、そして、悪寒発熱、汗が自然と出て口が渇き、胸が苦しくて咳をする、胸やお腹が痛い、脇腹が張る、めまいがする、耳鳴りがして口を閉ざす、等の症状を治します。
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