【駆虫薬】~使君子・苦楝皮・檳榔子・南瓜子・榧子~

10.駆虫薬(くちゅうやく)

体内の寄生虫を追い出す、または殺虫を主な効能とする(としてかつて使用されていた)生薬です。
日本では寄生虫症はほとんどみられなくなりましたし、
あったとしてもすでにもっと有効な西洋薬(特効薬)が開発されていますので、
今は実際に駆虫目的で使用されることはまず(おそらく)ないと思われますが。

使君子(しくんし)

シクンシ科シクンシの成熟果実

【性味】甘 温
【帰経】脾 胃
【効能】殺虫消積

甘くて食しやすいので小児にもよく使われていたようです。

苦楝皮(くれんぴ)

センダン科トウセンダンの根皮または樹皮

【性味】苦 寒
【帰経】脾 胃 肝
【効能】殺虫 療癬

関連生薬⇒川楝子(せんれんし)

檳榔子(びんろうし)

ユリ科ビンロウジュの成熟種子
※理気薬に分類することもあります

【性味】辛 苦 温
【帰経】胃 大腸
【効能】殺虫 消積 行気 利水

応用範囲の広い生薬です。
殺虫:腸内寄生虫に有効で、瀉下にもはたらきます。例えば回虫の駆除に、他の駆虫作用のある烏梅、山椒、川楝子などと一緒に配合されます。⇒椒梅湯
消積:食積気滞の腹満、腹痛、便秘に木香や大黄まどと用いることができます。
行気:気を巡らせて胸部やみぞおちの気滞、抵抗感を除きます。⇒女神散、延年半夏湯
利水:水を排出させる効果を利用して、浮腫や脚気の腫痛に応用されます。⇒九味檳榔湯、鶏鳴散

南瓜子(なんかし)

ウリ科ニホンカボチャおよびその変種の成熟種子

【性味】甘 平
【帰経】胃 大腸
【効能】殺虫

単独での駆虫作用は穏やかで、大量に用いるかもしくは檳榔子と併用して効果を高めて使用されます。

榧子(ひし)

イチイ科カヤノキ属植物の成熟種子
(日本では「かやの実」で代用される)

【性味】甘(渋)平
【帰経】肺 大腸
【効能】殺虫

甘くて作用が穏やか、虫は殺すが胃気は損傷しない安全な駆虫薬。
(油脂成分を多く含むので)かるい瀉下(通便)作用も有します。
また肺を潤す効があり乾燥性のかるい咳にも適用します。

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