漢方薬はお湯に溶かして服用するべきか?

漢方薬は絶対にお湯に溶かして服用しないといけないか?

結論から言うと、
お湯に溶いて服用できそうならできるだけそうして頂いて、
難しいときには、時と場合に応じた服用方法で構わないのではないかと思っています。

漢方薬(エキス剤)はどのように服用していますか?

エキス剤といわれる顆粒や細粒状の漢方薬は、どのように服用していますか?

口に粉を含んでから水で流し込むか、
もしくは、粉をお湯に溶かして(少し冷ましてから)飲むか。

とある薬剤師向けの漢方の講演会で講師の方が話されていたことですが…

漢方薬のエキス製剤は、抽出した成分を乾燥させたものなので、よく「インスタントコーヒーのようなもの」と表現されます。お湯を注ぐだけの「カップスープ」でもいいかもしれません。
漢方薬をお湯に溶かさずに飲んでも大丈夫かという質問がありましたが、では、インスタントコーヒーを飲むとき、顆粒をそのまま口に含み、水で流し込むように飲む人はいますか?カップスープにお湯を注がずに食べる人はいますか?

確かにそう言われれば漢方薬もお湯に溶かして服用するのが当然だという気がしてきます。

でも、コーヒーやスープを温かくして飲むのは、美味しく味わいたいからですよね。

漢方薬(特にエキス製剤)は味を楽しむものではなくて、成分を摂取できればOKなんじゃないでしょうか。

チキンラーメンはラーメンとしての他に、そのままポリポリとおやつやおつまみとして食べますし、
煮干しはダシをとるために煮る以外にも、粉々に砕いてふりかけとして食べる方法もあります。

摂り方はいろいろあります。

お湯で溶いて服用するのが良い例

葛根湯などのように「○○湯」という名前の漢方薬は、本来生薬を煎じたお湯を飲むものです。

例えば葛根湯は、体を温め汗をかかせ熱を下げるということを期待して服用します。
体を冷やすようなものは避け、またそれと吸収を高めて速やかに効果を発現させるため、
お湯で溶いて服用するのがベターです。

また、

当帰芍薬散のように「○○散」という名前の漢方薬は、本来粉々に砕いた生薬を服用するものなのですが、
当帰芍薬散を服用するということは、少なからず冷え症を改善することも期待しているわけですから
体を温めるためのものを冷たい水で飲むというのは意に反していることになります。
今まで漢方薬を水で服用されていた方はお湯で服用することで効果が増すかもしれません。

それと、高齢の方に多いのですが、
漢方薬は顆粒が毎回歯にはさまってしまうので服用が嫌になると訴えられることがあります。
この悩みもお湯で溶かして服用することで解消します。

お湯に溶かす飲み方

病院で漢方薬を処方してもらった場合は、煎じ薬でなく、エキス製剤が多いと思いますが

そういった顆粒や細粒になっているものは、フリーズドライされたものなのでインスタントコーヒーと同じように服用できます。

カップに顆粒や細粒を入れ、お湯を注ぎ溶かして下さい(すぐにかき混ぜると溶けにくいので数分置いてから混ぜたほうがいいです)。

お湯に溶かすと漢方薬独特の匂いや味が強くなりますが、

実は匂いの成分にも薬効があると言われていますし、

基本的に、自分の体に適した、体が欲している成分が含んだ漢方薬であれば、味やにおいが(そうでないときに比べれば)気にならないと言われています。もちろん味が苦手であってもその薬が自分には効かないということではありません。

ただし、吐き気があったり、特につわりの時などは冷たくした方が服用しやすいこともあります。無理はしないで下さい。

溶かさずに服用しても大丈夫

また、そもそも漢方薬の味や匂いが苦手だという方は、顆粒のまま服用するか、オブラートなどで飲みやすくしても差し支えありません。

それでもきちんと効果はあります。

エキス剤の利点を活かす

エキス製剤の利点は、服用が必要なときに煎じる手間がかからず、いつでも簡単にサッと服用できることです。

冷え症の改善に漢方薬を服用をする場合は、できるだけお湯での服用をお勧めしますが、

お湯に溶かすと味や匂いで気分が悪くなるとか
外出先などでお湯が手元にないから服用できないとかだと本末転倒です。

インスタントコーヒーやカップスープに例えると、お湯に溶かさなきゃいけないもののように思いますが、
大事なことはまず漢方薬が嫌いにならずに服用を続けられることです。

お湯に溶いた方が飲みやすいかどうか、というのを基準にされてはどうでしょうか?

漢方薬を飲みやすくする工夫もご参考に

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