胃腸(消化器系)の症状に使われる漢方薬
使用できる可能性があると思われる漢方薬を例として挙げていきます。
症状やお悩みから漢方薬を探すときの参考としてお使いください。
※
ここにあるのが全てはありません。
また、記載している漢方薬の順番に意味はありません。
参考程度に漢方薬を選ぶときのポイントも一部記載していますが、実際に漢方薬を使用されるときは、説明書をよく読んでから服用してください。
気になることや疑問点がある場合は、あらかじめ専門家にご相談ください。
胃腸虚弱
漢方的には脾気虚。脾の機能の低下した病態。
慢性的な脾気虚は、消化器のはたらきの低下とともに、全身的な気虚の原因になります。疲れやすい、手足がだるい、元気がないなど。
基本方剤である四君子湯を代表として、人参・白朮・茯苓・甘草などがベースに配合されている漢方薬が使われます。
- 四君子湯:脾気虚に対する基本方剤
- 六君子湯:胃腸虚弱で疲れやすい、胃内停水、食後眠くなる
- 柴芍六君子湯:六君子湯の証で、胸脇苦満や腹痛をともなう
- 香砂六君子湯:六君子湯の証で、気分の落ち込み、吐き気、胃痛をともなう
- 人参湯/理中丸:体力虚弱、疲れやすい、手足が冷えやすい、下痢しやすい
- 桂枝人参湯:発熱・悪寒・頭痛などの表証をともなう
- 安中散:胸やけやげっぷ、食欲不振を起こしやすい、胃が冷えると痛む
- 啓脾湯:体力虚弱、下痢傾向、痩せて顔色がわるい
- 小柴胡湯:体力中等度、疲労感、吐き気、胃部のつかえ
- 半夏瀉心湯:体力中程度、みぞおちのつかえ、軟便や下痢の傾向
- 茯苓飲加半夏:茯苓飲よりも胸やけがげっぷが多い
- 茯苓沢瀉湯:胃部に停滞感、悪心または嘔吐
- 厚朴生姜半夏人参甘草湯:体力虚弱で腹部膨満感
- 乾姜人参半夏丸:吐き気や嘔吐が続いている
- 加味平胃散:体力中等度、暴飲暴食などで胃もたれ、食欲不振、胸やけ
- 化食養脾湯:食欲不振、みぞおちのつかえ、疲れやすい
- 不換金正気散:体力中等度、胃がもたれ食欲がない
- 香砂養胃湯:慢性の胃腸虚弱、食欲不振、胃のもたれがつよい
食欲不振
食欲不振といっても、過度の緊張や食べすぎなど原因の明らかな一時的な食欲不振から、原因が分からないまま食べられない状態が続き体調不良を招くものもあります。
また、食欲がわかないというだけではなく、お腹は空くけど食べられない、食べられるけど美味しくないなど様々なタイプの食欲不振があるかと思われます。
漢方薬を選ぶときは、もともと胃腸が弱いだけのか、もしくは精神的ストレスなど他の要因があるのか、その他、暴飲暴食、下痢、便秘、感冒、病後の体力低下なども考慮して選ばれます。
- 四君子湯:胃腸虚弱、元気がなく疲れやすい、貧血気味で顔色がわるい
- 六君子湯:普段から食がほそく、食べるとすぐお腹がいっぱいになり眠くなる
- 柴芍六君子湯:もともと胃腸虚弱でストレス、またはストレスによる胃痛をともなう
- 香砂六君子湯:胃腸虚弱で気分が沈みがち、不安感、頭重
- 茯苓飲:胃部が張って食べ物がつかえる、胸やけ、胃内停水
- 人参湯:小食、腹痛、口に薄い唾液がたまる、手足が冷える、熱いものを好む
- 帰脾湯:心身の疲れ、貧血、精神不安、不眠、夢が多い
- 加味帰脾湯:心身の疲れ、貧血、イライラして眠れない、神経症
- 香砂養胃湯:慢性的胃腸虚弱、慢性胃腸炎
- 平胃散:体力中等度以上、胃の消化がわるく胃もたれ、吐き気、食べすぎ、下痢傾向
- 加味平胃散:暴飲暴食、生ものや冷たいものの摂りすぎで胃の機能が低下
- 香砂平胃散:平胃散の証で、気分が優れない、間食や眠前の食事で胃もたれ
- 小柴胡湯:胸脇苦満、発熱した数日後、往来寒熱
- 四逆散:体力中等度以上、ストレスによる胃痛、胸腹部の重苦しさ
- 柴胡加竜骨牡蛎湯:体力中等度以上、精神不安、ストレス、不眠
- 安中散:胃弱、冷え、ストレスや冷たいものの摂りすぎで胃痛
- 安中散加茯苓:基本的に安中散と同じ
- 大柴胡湯:体格はがっしり、便秘、肥満、脇腹からみぞおちが苦しい
- 黄連湯:体力中等度、胃部の停滞感、重圧感、悪心嘔吐をともなう腹痛
- 半夏瀉心湯:体力中等度、胃部のつかえ、腹鳴、軟便や下痢傾向
- 生姜瀉心湯:半夏瀉心湯の証で、吐き気やげっぷが多い
- 調胃承気湯:体力中等度、便秘、腹部膨満、腸内異常発酵
- 十全大補湯:補中益気湯よりも虚証、貧血気味、寝汗
- 人参養栄湯:術後病後の体力低下、疲労感が強い、貧血気味、不眠
- 補中益気湯:衰弱して食欲低下、発熱したあと、倦怠感、手足がだるい
- 清暑益気湯:夏場の食欲不振、暑気あたり、夏やせ
- 藿香正気散:夏の感冒、暑さによる食欲不振、腹痛、下痢
- 柴葛解肌湯:高熱が出て悪寒の強いカゼ、倦怠感、吐き気
- 小建中湯:小児の虚弱体質、胃腸虚弱、疲労倦怠、腹痛
- 麻子仁丸:体力中等度以下、常習便秘、便が硬く塊状、腹部膨満
- 参苓白朮散:体力虚弱、胃弱、下痢が続く、やせて顔色がわるい
- 啓脾湯:胃腸虚弱、水様性下痢が続く、消化不良
- 延年半夏湯:体力中等度、みぞおちに抵抗感、胃酸過多、慢性胃炎
- 化食養脾湯:六君子湯ベースに消化剤などを加味
- 不換金正気散:体力中等度、平胃散ベース、気滞、胃もたれ、吐き気、消化不良
胃下垂
吐き気・むかつき・嘔吐
吐き気や嘔吐は、漢方では胃気(胃の機能)の失調と考えます。
下降すべきものが逆に上がってくる状態なので、胃気上逆といいます。
胃気上逆の悪心・吐き気を治める作用に優れている生薬は半夏や生姜であり、基本的にはこれらが配合されている漢方薬が用いられます。
また実際に嘔吐してしまうときは茯苓や白朮が配合されているものもよく使用されます。
- 小半夏加茯苓湯:ファーストチョイス、体力にかかわらず使用できる
- 大半夏湯:体力中等度以下、みぞおちのつかえ、胃反性の嘔吐(朝食暮吐・暮食朝吐)
- 小柴胡湯:体力中等度、ストレス、食欲がわかない、脇腹の腹満感、口が苦い
- 半夏瀉心湯:体力中等度、みぞおちのつかえ、悪心嘔吐、食欲不振、
- 生姜瀉心湯:半夏瀉心湯よりも胸やけやげっぷが多い
- 半夏厚朴湯:神経質、咽の異物感
- 呉茱萸湯:冷えがつよい、頭痛(片頭痛)にともなう嘔吐
- 四君子湯:胃腸が非常に弱い、慢性胃炎、胃のもたれ
- 六君子湯:胃腸虚弱、食欲不振、胃酸過多
- 柴芍六君子湯:ストレスで胃が痛い・苦しい、食欲不振、神経質
- 香砂六君子湯:胃腸虚弱、気分的に落ち込み、憂鬱、胃痛
- 二陳湯:胃部不快感、慢性胃炎、二日酔い
- 人参湯:冷え、疲れやすい、下痢しやすい
- 茵蔯五苓散:体力中等度以上、二日酔い、下痢
- 化食養脾湯:体力中等度以下、胃腸虚弱、食欲不振、消化不良
- 厚朴生姜半夏人参甘草湯:体力虚弱、腹部膨満感
- 平胃散:食べすぎによる胃もたれ、消化不良、腹部膨満感
- 五苓散:口渇、尿がよく出ない、水を飲むとたちまちその水を吐く
- 胃苓湯:体力中等度、水様性の下痢と嘔吐、食あたり、暑気あたり
- 茯苓飲:胃のつかえ感、胃内停水、呑酸
- 茯苓飲加半夏:茯苓飲よりも嘔吐やゲップが多い
- 茯苓飲合半夏厚朴湯:茯苓飲と半夏厚朴湯の証を兼ねる
- 茯苓沢瀉湯:悪心があり、食後しばらくして吐くもの
- 乾姜人参半夏丸:何を試しても吐き気や嘔吐が止まらない
- 銭氏白朮散:体力虚弱、感冒時の嘔吐下痢
- 麦門冬湯:からえずき(乾嘔)、口渇、胸やけ
- 黄連解毒湯:脂っこいものや刺激物の摂りすぎ
- 安中散:冷たいものの食べすぎ飲みすぎ
- 大黄甘草湯:便秘にともなう嘔吐
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胸やけ・逆流性食道炎
逆流性食道炎も、暴飲暴食・食べすぎ・早食いが原因のものだけでななく、もともと胃のはたらきが弱っているもの、ストレスや生活習慣が影響しているものなどがあります。それぞれに応じた対策が必要です。
胃痛
- 六君子湯:胃腸虚弱、食欲不振
- 柴芍六君子湯:六君子湯証でとくに胃痛がつよい
- 香砂六君子湯:六君子湯証で気分の塞がり(憂鬱)や吐き気がつよい
- 安中散:ストレス、または冷え、冷たいものの飲食による胃痛
- 四逆散:不安や緊張が原因と思われる胃痛
- 人参湯:体力虚弱、疲れやすい、冷えやすい、下痢しやすい
- 附子理中湯:人参湯よりも手足の冷えがつよい
- 黄連湯:体力中等度、胃部の停滞感、重圧感、急性胃炎、食中毒
- 小柴胡湯:体力中等度、口が苦い、吐き気、カゼをこじらせたときの胃痛・食欲不振
- 柴胡桂枝湯:体力中等度またはやや虚弱、胃腸炎、カゼの中期から後期、
- 化食養脾湯:体力中等度以下、胃腸虚弱、食欲不振、消化不良
- 香砂養胃湯:体力虚弱、胃弱、慢性胃腸炎
- 平胃散:食べすぎ、胃もたれ、消化不良
- 加味平胃散:暴飲暴食、腹部膨満感、呑酸
- 二陳湯:悪心、嘔吐、胃部不快感
- 解労散:体力中等度またはやや虚弱、胸腹部の重苦しさ、神経質
- 延年半夏湯:体力中等度、みぞおちの抵抗感、慢性胃炎
- 芍薬甘草附子湯:冷えをともなって消化器(筋肉)が痛む
腹部膨満
- 加味平胃散:暴飲暴食、生もの冷たいものの摂りすぎ、げっぷ、胸やけ
- 補気建中湯:体力虚弱、胃弱、浮腫、腹水
- 大建中湯:体力虚弱、お腹の冷え、お腹にガスが溜まる
- 分消湯:体力中等度以上、便秘傾向、むくみ、排尿困難
便秘に伴う腹部膨満
腹痛
下腹部痛
月経痛(生理痛)
下痢
下痢は一般的には胃腸が弱いがために起こしやすいものですが、胃腸が丈夫な人でも下痢になることはあります。感染症、冷たいものや脂っこいものの摂りすぎ、寒い環境での滞在、つよいストレスなどです。
よって漢方薬もそれぞれの病態に合ったものが選ばれます。
- 五苓散:水様性下痢、暑気あたり、二日酔い、小便の出がわるい
- 胃苓湯:水様性下痢、冷たい飲食物の摂りすぎ、未消化便、口渇
- 柴苓湯:水様性下痢、急性胃腸炎、暑気あたり、食欲不振
- 茵蔯五苓散:口渇、悪心、二日酔いのむかつき
- 黄芩湯:感染症胃腸炎、発熱、裏急後重(しぶり腹)、腹痛、泥状便
- 葛根黄連黄芩湯:急性胃腸炎、臭いのつよい下痢、口内炎、吐き気
- 啓脾湯:胃腸虚弱、水様性下痢、小児の消化不良
- 参苓白朮散:胃腸虚弱、慢性下痢、疲れやすい、食欲不振
- 桂枝人参湯:胃弱、消化器症状をともなう感冒、熱があるが胃腸は冷え
- 桂枝加芍薬湯:胃腸虚弱、過敏性腸症候群、腹痛、腹満
- 四逆散:ストレス・過緊張にともなう下痢、お腹が張る、腹鳴
- 人参湯:冷えやすい、冷えると下痢、疲れると下痢、胃痛、腹痛
- 附子理中湯:人参湯よりも冷えがつよい
- 真武湯:冷え、倦怠感、慢性下痢、フワフワした感じのめまい、むくみ
- 四君子湯:胃腸虚弱、普段から軟便傾向、食事のたびに排便、疲れやすい
- 六君子湯:疲れやすい、食欲不振、吐き気、上腹部のつかえ
- 補中益気湯:疲労倦怠感、食欲不振、慢性的な下痢
- 半夏瀉心湯:体力中等度、みぞおちのつかえ、腹鳴、悪心
- 甘草瀉心湯:みぞおちのつかえ、不消化下痢、不安・不眠・イライラ感などの神経症状
- 生姜瀉心湯:みぞおちのつかえ、腹鳴、胸やけ、げっぷ
- 小建中湯:子供または高齢者で体力がない、胃腸虚弱、腹痛
- 当帰四逆湯:手足と下腹部の冷え、下腹部痛、血虚、エキス製剤なし
- 当帰四逆加呉茱萸生姜湯:冷え症、手足の冷えがつよい、冷えて下腹部が痛くなる、月経痛
- 藿香正気散:夏かぜ、夏に冷房で体を冷やして下痢、冷たいものの飲食で下痢
- 銭氏白朮散:体力虚弱、感冒時の下痢、消化不良
- 胃風湯:体力中等度以下、胃腸が冷えることによる下痢、冬に悪化する下痢、原因不明の慢性下痢
- 防已茯苓湯:体力中等度以下、むくみ、慢性下痢、エキス製剤なし
- 清暑益気湯:暑気あたり、食欲不振
便秘
便秘=下剤が一般的ですが、漢方では便秘になりやすい体質の改善も考慮して薬を選びます。
必要に応じて下剤と漢方薬の併用も効果的です。
実証タイプの便秘に虚証向きの薬を使用しても十分な効果が得られませんし、
虚証タイプの便秘に実証向きの薬を使用すると腹痛や下痢が止まらなくなるかもしれません。
虚証の方では大黄や麻子仁が配合されていない漢方薬でも便通がつくことがあります。
排便の理想的な回数には個人差があります。
便秘薬の使用量や使用回数も個人に合わせて調整してください。
- 乙字湯:体力中等度以上、痔疾、大便が硬い
- 大承気湯:つよい腹満、妄想などの精神症状をともなう
- 防風通聖散:肥満、腹部に皮下脂肪が多い、太鼓腹、のぼせ、湿疹
- 通導散:体力中等度以上、月経不順、月経痛、頭痛、肩こり
- 桃核承気湯:実証、月経痛、イライラ、月経前症候群、冷えのぼせ
- 三黄瀉心湯:のぼせ、イライラ、不眠
- 大柴胡湯:肥満、体力は充実、高血圧傾向、肩こり、脇腹からみぞおちが張って苦しい
- 桂枝加芍薬湯:過敏性腸症候群、下痢と便秘を繰り返す、腹痛
- 桂枝加芍薬大黄湯:体力中等度以下、腹満、腹部膨満、腹痛、しぶり腹
- 小建中湯:体力虚弱、疲れやすい、腹痛
- 大建中湯:お腹の冷え、腹部膨満、下腹部痛
- 大黄甘草湯:直腸型、若年者、センノシドでお腹が痛くなる
- 応鐘散:肩こり、頭痛、のぼせ、瘀血と気滞
- 麻子仁丸:高齢、便が硬くてなかなか出ない
- 潤腸湯:高齢者、虚弱者、皮膚の枯燥、コロコロ便、貧血気味
- 調胃承気湯:常習便秘、お腹の張り、便が太くて硬い、残便感
- 茵蔯蒿湯:便がねっとりしてすっきり出ない
- 八味地黄丸:高齢、腸の機能低下、冷え、腰痛
- 補中益気湯:疲労倦怠、いきむ力が出ない
- 四逆散:ストレス、過緊張、便が細く切れ切れ、残便感、痙攣性便秘
- 柴胡加竜骨蛎湯:体力中等度以上、精神不安、
- 逍遥散:体力中等度以下、精神神経症状、月経不順、血虚
- 加味逍遥散:体力中等度以下、怒りっぽいなどの精神神経症状、更年期、のぼせ
- 附子理中湯:虚証、冷え、新陳代謝の低下
- 大黄附子湯:下剤により冷えて腸の動きが停滞し腹痛、エキス製剤なし
便秘薬の服用によるお腹の痛み
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→便秘と便秘薬について
→便秘時の養生法
過敏性腸症候群
症状としては下痢型、便秘型、交替型(不安定型)などに分類されますが、
過敏性腸症候群は自律神経系の乱れが消化器系に影響して症状があらわれることから、
漢方ではとくに脾(胃腸虚弱)と肝(ストレス)の状態を分析して薬が選ばれます。
そのため下痢であっても便秘であっても同じ漢方薬が使われることがあります。
- 桂枝加芍薬湯:ファーストチョイス、腹痛、下痢型、便秘型、または交代型、しぶり腹、腹部膨満感
- 桂枝加芍薬大黄湯:便秘型、残便感、しぶり腹、腹部膨満感
- 加味逍遥散:便秘型または交代型、不眠・頭痛・肩こり・イライラなど多愁訴を伴う
- 逍遙散:加味逍遥散タイプでイライラや怒りっぽいなどの熱証は強くない
- 四逆散:体力中等度、過緊張、不安、不眠、
- 柴胡桂枝湯:体力中等度~虚弱、腹痛、胸脇苦満
- 小建中湯:小児、体力虚弱、疲れやすい、腹痛、交代型
- 六君子湯:胃腸虚弱、食欲不振、食事のたびに下痢が心配
- 芍薬甘草湯:お腹のひきつるような痛みが強いとき
- 半夏瀉心湯:下痢型または交代型、腹鳴を伴う、腹痛
- 胃苓湯:胃もたれ・消化不良の下痢、腹痛
- 大建中湯:腹部に冷え、便秘、腹部膨満
- 人参湯:下痢型、冷えると胃が痛む、疲れやすい
- 真武湯:身体が冷えていて元気が出ない、むくみ、下痢、下痢すると疲労感、
- 当帰芍薬散:体力虚弱、冷え、下腹部痛、貧血傾向
- 香蘇散:気うつタイプ
- 半夏厚朴湯:几帳面、神経質、緊張するとノドが苦しくなる
- 抑肝散:神経のたかぶり、イライラしやすい、我慢しようとする性格
- 五苓散:下痢の軽減のため併用
- 四物湯:便秘の軽減のため併用、コロコロ便、下剤を使っても排便せずお腹が痛くなる
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→過敏性腸症候群(IBS)② ~使用される薬の特徴と注意点~
→過敏性腸症候群の養生法
痔
腫れや炎症を抑えるという目的で漢方薬を用いる場合もありますが、
どちらかというと痔疾は漢方的に気虚や瘀血によるものと捉えられることが多いので
それに応じた漢方薬も使われます(併用されることもあります)。
- 乙字湯:体力中等度、便秘傾向、痔疾全般、軽度の脱肛
- 桂枝茯苓丸:瘀血、頑固ないぼ痔
- 桂枝茯苓丸加薏苡仁:桂枝茯苓丸にヨクイニンの排膿・消腫をプラス
- 桃核承気湯:体力中等度以上、瘀血、便秘、のぼせ
- 大黄牡丹皮湯:体力中等度以上、瘀血、下腹部痛
- 竜胆瀉肝湯:体力中等度以上、充血、腫脹、疼痛
- 補中益気湯:虚証、気虚、脱肛
- 秦艽羌活湯:体力中等度、かゆみのある痔疾
- 秦艽防風湯:体力中等度、便秘傾向、排便痛
- 麻杏甘石湯:体力中等度以上、痔の痛み、咳が痔に響くとき
- 五虎湯:麻杏甘石湯と同様
- 当帰建中湯:体力虚弱、痔・脱肛の痛み、冷え症、貧血気味
- 加味解毒湯:いぼ痔、痔痛、痔出血、脱肛、炎症
- 甘草湯:痔・脱肛の痛み、外用として(煎液で患部を温湿布)
- 紫雲膏:外用薬